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G.4.3 全体座標系とローカル座標系間の関係

メンバー荷重に対する入力は、ローカル座標系と全体座標系で与えることが可能であり、メンバー端部の力に対する出力は、ローカル座標系で表示されるので、ローカル座標系と全体座標系間の関係を知ることは重要です。この関係は、次の設定方法で計測される角によって定義されます。この角は、ベータ(β)角として定義されます。オフセットメンバーに対しては、ベータ角/参照点の設定は、ローカル軸のオフセット位置に基づき、ジョイント位置には基づきません。

ベータ角

構造内のコラムのケースのように、ローカルx軸が全体座標系の鉛直軸と平行なときは、ベータ角はローカルz軸(SET Z UPに対してはローカルY)が全体座標系のZ軸(SET Z UPに対しては全体座標系のY)と平行で同じ正の方向にある位置からローカルx軸について回転した角です。

ローカルx軸が全体座標系の鉛直軸に平行でないときは、ベータ角はローカルz軸(SET Z UPに対してはローカルY)が全体座標系のX-Z平面(SET Z UPに対しては全体座標系のX-Y平面)に平行で、ローカルy軸(SET Z UPに対してはローカルz)が全体座標系の鉛直軸と平行な位置からローカル座標系をローカルx軸について回転した角です。図1.7は、ベータが0度、または90度に等しい位置の詳細を示しています。ローカルメンバー軸においてメンバー荷重を与える際に、ローカル軸系を即座に決定するためには、この図を参照すると役に立ちます。

参照点

メンバーの方向を与える代わりの方法は、メンバーのx-y平面(SET Z UPに対してはx-z平面)上にあってメンバーの軸上にない参照点となる座標(またはジョイント番号)を入力することです。参照点の位置からプログラムは自動的にメンバーのx-y平面(SET Z UPに対してはx-z平面)の方向を計算します。

全体座標系とローカル座標系間の関係

参照ベクトル

これもメンバーの向きを設定する別の方法です。上記の参照点の方法では、参照点のX、Y、Z座標は、全体座標系におけるものです。参照ベクトルでは、X、Y、Z座標は、ベータ角が0の条件に相当するメンバーのローカル座標系に対して設定されます。

方向ベクトルは、 TR.26.2 メンバーとエレメントに対する定数の設定」で説明されるように、プログラムによって作成されます。そして、プログラムはこのベクトルを使用してベータ角を計算します。

等辺および不等辺山形鋼「ST」のベータ回転

注記: MEMBER INCIDENCESコマンドのジョイント番号の順序によって、メンバーのローカルx軸の方向が決まります。

等辺および不等辺山形鋼「RA」のベータ回転 

全体Y軸が垂直の場合のさまざまなベータ角度のT形メンバーの向き

全体Z軸が垂直の場合(SET Z UPが指定されている場合)のさまざまなベータ角度のT形メンバーの向き

全体Y軸が垂直の場合のさまざまなベータ角度のチャネルメンバーの向き